Nagoya University
Theoretical Elementary Particle Physics Laboratory

Date&Time Tue Dec 15 2020 (17:00 - 18:00)
Speaker
Yosuke Takubo
Affiliation KEK
Title LHC-FASER実験における新粒子探索
Abstract 素粒子の標準模型では暗黒物質が説明できないなどの理由から、標準理論を超える新物理の発見が待ち望まれている。欧州原子核研究機関(CERN)のLHC(Large Hadron Collider)加速器を用いたATLAS実験やCMS実験では、TeV程度の質量を持ち、弱い相互作用程度の強さで標準模型粒子と結合する新粒子の探索が行われている。しかし、それと対極的な探索として、MeVからGeV程度の軽い質量を持ち、標準模型粒子と非常に弱く相互作用する新粒子の探索が近年注目を浴びている。MeVからGeV程度の軽い新粒子探索を目的に、我々はFASER(ForwArd Search ExpeRiment)実験を準備中である。FASER実験はATLAS実験のビーム衝突点から480m下流にあるLHCへの連絡トンネル内に検出器を設置し、2022年から実験を開始する。FASER検出器は半径10cm、長さ5mとコンパクトにも関わらず、前方方向の高い陽子・陽子反応断面積を利用することで、運転1年目のデータだけでも暗黒フォトンなどの新粒子について未探索領域を開拓できる。また、FASER検出器の手前にエマルション検出器を設置し、TeV領域のニュートリノ反応断面積を測定する計画(FASERnu)も進行中である。本講演ではFASER実験の概要と、2020年秋に予定されている検出器のインストール状況について説明する。そして、HL(High-Luminosity)-LHCのためのFASERアップグレード計画や、FASERnuの目的と準備状況についても紹介する。
Remarks
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